『共喰い』の義手

文字を読む。
文学ではありません、文字とおり文字です。
短歌、広告、落書き。
エッセイ、ツイッター、ノンフィクション。
小説というジャンルはいつのまにか
後に後に。
紅白が老人のための流行歌チェックとすれば、
芥川賞もその程度の役割は維持しています。

もはや、小説に物語の感動を求めたりはしません。
いくつかのコラージュの断片がひろうことができれば、
しめたものです。

レヴィー・ストロ-ク『悲しき熱帯』、
ガルシア・マルケス『百年の孤独』
フリークス、変態の真昼間も
くりひろげられる祝祭のこまごまとした儀式。
田中慎弥『共喰い』には、いくつもの
こぼれだすイメージがありました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【タイム食首】
キャベツのなかはどこへ行きてもキャベツにて人生のようにくらくらとする
: 渡辺松男