三島由紀夫が自決したのは、昭和45年。
すでに42年。
その文体は2012年の時代を表現することはできません。
それは当然で、そのことで三島が現代での存在価値を
失ったことにはなりません。
泉鏡花、折口信夫の流れで三島を語った作家が
いつのまにかあらわれていました。
岩下尚史は花柳界の実態を<神々に扮することを忘れた日本人>
という視点でスポットライトを当ててみせました。斬新です。
『見出された恋』。三島の金閣寺をかきはじめたころの、
恋愛を語ってあります。
浄瑠璃をきくように読み終わったら、
最後のページに
<差出人 三島由紀夫>
自筆の封筒写真が印刷されてあります。
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【タイム食句】
ばか、はしら、かき、はまぐりや春の雪 : 久保田万太郎