「もの」という日本語の文脈

「もの派」は物ではなく物との「出会い」。

椹木 野衣の分析は美術に限定せず、
和歌の世界に通底する日本人の幽玄美学を
ひっぱりだして鋭い。

「もの派」の「もの」は平仮名の「もの」。
日本語の文脈にひきつけて言えば、
「もののけ」「ものがなしい」「もののあわれ」の「もの」。
物質の物ではなく、形の無い気分とか
移ろいやすさのことだった。
その意味で、欧米流の造形とはもっとも遠いところにある。
しかし、今ではそれが逆に強みになる。