『料理の科学』にみるアクの正体

すじ肉を煮込むのは、
精神の修業におおいによろしい。
なんちゅうてもアク取り。
びっくりするぐらい、わいてくる、わいてくる。
アクとは漢字で灰汁。と書くけれど、
要するに悪ですよ。
不必要なもの、排除すべきものなんだから。
ずっとキッチンにたって、執拗に噴き出すアクを除りつづける
行為はまさに自分の心の悪をまざまざとみせつけられている
ことになるんです。

『料理の科学』という本が話題になっています。
<ワシントンポスト>で10年間続いてる大人気連載やそうです。

~~スープに浮くアクの正体はいったい何ですか?

アクは凝固したタンパク質が、脂質によって結びついたものです。
タンパク質は熱を加えると凝固します。・・・、・・・、
そのあとの説明をすじ肉にあてはめてみます。
煮込むことで、すじ肉の血や分泌液のタンパク質が溶けて
凝固しはじめます。
一方、溶けて油になっていたすじ肉の脂肪は、油の習性に
したがって湯の表面にむかって上昇します。
この二つの物質が出会い、油は凝固したタンパク質を
包みこんで救命具の役割を果たし、タンパク質を油っぽい
浮遊物にした、ということになりました、チャンチャン。

<こまめにすくいとれば、おいしい澄んだスープという
ごほうびが待っています>、という表現もなんかアメリカ的。