『愛の悪魔』 ベイコンの肖像

『愛の悪魔』
LOVE IS THE DEVIL
STUDY FOR A PORTRAIT OF FRANCIS BACON

ベイコン展は3月から東京、
そのあと8月いっぱい豊田。
熱中症の日本がまさにベイコンの熱にうなされる、
とおもいきや、ひっそりと終わっていく。

映画は1998年。
ベイコンの生涯とか、絵画作品の紹介とかに
堕落していない。
創作の衝動に肉薄する情念がのたうちまわっている。
監督自身がベイコンの内的リズムと同調している証し。

『ラストタンゴ・イン・パリ』は
監督ベルトリッチがベイコンに刺激された映画として有名。
マーロン・ブランドをベイコンの個展に連れて行って、
ここからうけるインパクトでセックスシーンを演じるように
アドバイスしたという。
そのメイキングシーンこそドキュメント映像でみたい。

<愛の悪魔>のタイトルから、
『肉体の悪魔』『恋する女たち』のケン・ラッセルを
連想してしまう。
この機会に劇場オールナイトで
『ラストタンゴ・イン・パリ』(1972)
『肉体の悪魔』(1971)
『愛の悪魔』(1998)
3本たてでやってもらいたい。