魅力的なタイトル。「世の中には不可解な殺意が散在し、 ひとのこころも変わってしまった」。オタク、通り魔、 平然と殺戮が横行する日本の日常を映しとる文学として 短歌と向かう姿勢は潔い。塚本邦雄の毒を蘇らせる力量。 (塚本邦
小学校での食育活動に手応え
ゴマ栽培をした大成小学校6年の生徒から50通の感謝 の手紙。ゴマ栽培に興味の無かった生徒達が栽培をとお して、食材の大切さを実感。食育の貢献できた手応え。 担当の先生は子供たちに体験を記憶させる立派な教育者。 (大成小学
黒胡麻の別名は『巨勝』
いかにも強そうなイメージ。江戸時代の『本朝食鑑』の 胡麻の項目には<近世では滋陰、牡陽を貪る者が専ら巨 勝を求めて常に服用している>とあるらしい。その時代 から完全に精力剤の扱い。和田萬『三元弾』も効くよぉ。 (巨勝)h
『きうち』:蕎麦食べ比べはマニヤック
?玄挽きざる(三重)?十割ざる(福井)?荒びきざる (黒姫)。3つ食べ比べ1500円。粉がどう違うのか わかって注文する客がどれだけおるんやろ。明らかに蕎 麦打ちを趣味とするお客狙い。堂々たる石臼がお出迎え。 (きうち)
夢の映像化、凄い時代に。
脳の中をのぞける時代がやってきた。SF的世界が急ピ ッチで実現していく。味の世界もこれからどんな風に分 析され、数値化されていくのか?評価基準を数値にたよ れば味気ないが、食や官能の混沌世界はどう進化するか? (夢の映像
織部パワー炸裂の『へうげもの』
織部は茶碗のひんまがり具合といいデザインのラフさと いい現代作家とまちがう。生け花の中川幸夫などおもろ い創作家に与える織部賞というのもある。ともかく彼を 主人公にした漫画でこの暑苦しい展開そのものが織部的。 (へうげも
蕎麦前が楽しめる『守破離』
江戸の蕎麦屋は通の縛りが。蕎麦前は板わさか焼き海苔。 大阪人には、そんなたよんないもんなんでわざわざよそ で食べなあかんの。ここの肴は豊富。きのこといかのわ たあえ。鴨の小鍋を柚子こしょう効かせて。最後にざる。 (守破離
斬新で安すぎる イ・ヴェンティチェッリ
素材もソースもオリジナリティにあふれて、細かい神経 がゆきとどいている。料理に対する情熱がメッセージと して伝わってくる皿が次々と。しかも安い。これじゃ儲 けないやんかと心配したくなる。激戦地区はレベル高い。 (イ・ヴェ
北野勝彦の白備前にすざび
北野勝彦さんはご近所。一番最初に陶芸教室に通って以 来の仲。ギャラリー桃青さんが先生の30周年記念の立 派な図録を作成。備前面取壺の大作より白備前の皿。柔 らかな白の影に枯れ果ててゆくすさび。料理の実用性も。 (桃青・個
”食は社会の縮図” 伏木亨
「食育は食材の栄養価や健康面を強調することではない。 ”お袋の味”である食は本来、親が食べさせたいものを 食べさせるのが当然で、子供に食べさせたいものを聞い てから作るというのはとても不思議なこと」。日経朝刊。 (伏木亨