三上博史の『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』 を観落とした無念かかえ新作と知り見参。不感症、SM、 ゲイと素材は過激でも質感は優しくサラサラと上質の麻 の手ざわり。清潔な映画に”ぼかし”なんかしなさんな。
丸山正の着物の<巻きつけ>:ギャラリーNOW
色調は墨染や猩猩緋の深い伝統色やのに羽織、帯、袴に 革新的処理。たまたま明日からの個展準備で汗だらけの 丸山正さんに出会う。早速<巻きつけ>をしてもらう。 <わたくし>の肉体は遠いいにしえからの時間をまとう。  
『ごますり合うも多生の縁』:カタギ食品
全国胡麻加工組合の理事長として業界のリーダーであっ たカタギ食品の相談役が自叙伝であり社史でもある回想 録を出版された。戦前からの食品業界の動きがリアルに 迫ってくる。企業も経営者の人柄。大先輩が身をもって。  
『高座』橘蓮二写真集
おもろい貌、撮ろとおもたらやっぱり芸人やろ。ええ味 しゅんでるんは売れてへん芸人さんやろけど、それは写 真集として売れへんから無理な話。志の輔、談春にカッ トが集中。立川一門がいかに旬のスター揃いかがわかる。
大阪「食」文化専門誌『浮瀬』:特集<乾物>
トップに「天満乾物商の変遷と菅原町」の原稿。まさに 和田萬の所在地。元禄年間から水利の便に恵まれたこと で全国から特産品が集まってきた。昭和15年の乾物問 屋地図には200軒の活況。せめて蔵だけ残っていたら。
サンマのおいしい食べ方は・・・
『日本一うまい魚の食べ方』を魚嫌いな連中に読ませた い。ブログの書き手<築地魚河岸の若旦那>を尊敬して しまう。「サンマは塩焼きが一番。苦いハラワタとじわ ぁ〜っと脂が浮いてっくる腹の甘味が何とも言えねぇ」。  
梅佳代、ほたえるガキどもをキャッチ
写真集『男子』にはふきだしてまう。こんなガキ、大阪 にしかおらんやろ。<ほたえの文化>再認識。『うめ版 =新明解国語辞典』も企画の勝利。<思いもよらない> <悔しい>のショットなんかモウ、モウ、お腹が捩れる。  
世界陸上、砲丸投げに興奮
スポーツは<走る><飛ぶ><投げる>。100m、マ ラソン、走り幅跳び、走り高跳び、砲丸投げ、やり投げ。 この6種に限る。砲丸投げの千両役者、ホッファとネル ソン、この一騎打ちはワグナーオペラを観る以上の感動。
『美加佐』で3時に待ってます
俳句仲間から法善寺で会えへん、と誘われて指定時間が、 ええっ3時!さすがに一番乗り。塩海胆、皮鯨、鮒すし と日本酒マニアにはたまらんアテ。5時にカウンターは 満席。着流しや粋な風情の常連さんが続々。残ってんや。
『今夜も落語で眠りたい』中野翠
CD落語が就眠儀式。<志ん生の語り口や声の質は、ビ ートたけしに似ている><古典落語はギャグの楽しさで はなく、空気が楽しい。風流気分が何とも快いのだ>< 「ついつい欲望に負けてしまう人」ばっかりが出てくる>。 &nbs