9・10 溺死たとへば最後に腐る胃の獅子唐 : 吉田竜宇 〜〜人体も自然天災相似 9・9 半欠けの氷砂糖を口うつす刹那互いの眼の中に棲む : 松野志保 〜〜眼裏にまわりこむ舌のレッスン 9・8 はらわたの熱きをたのみ鳥渡
カテゴリー: 短歌・俳句周辺
【 タイム食句】 09・01〜09・05
9・5 わたくしが切り落としたいのは心 葡萄ひと粒ずつの闇嚥む : 大森静佳 〜〜種無しの不実を責める目隠しで 9・4 うつくしや野分の後のたうがらし : 蕪村 〜〜信号垂れて三色の実を 9・3 桃食めばひとつの種が残り
食句塾 9月例会
食句塾 9月例会 ・おつまみ渇くビールおつまみ乾く : 飛白 おつまみたべる、のど渇く、ビール飲む、またおつまみ。乾いてる この流れ。やはり句読点をいれないと読み取れない。 ・犯人のように踊に戻りけり : 主水 脱走犯を
【 タイム食句】 08・26〜08・31
8・31 秋風やひびの入りたる胃の袋 : 夏目漱石 〜〜キャットフードに腎臓疾患 8・30 口内炎は夜はなひらきはつあきの鏡のなかのくちびるめくる : 内山晶太 〜〜いつのまにか赤恥の澱うらがわに 8・29 わかつて欲し
【 タイム食句】 08・21〜08・25
8・25 すいかバー西瓜無果汁種はチョコ : 榮猿丸 〜〜赤いスープにバジルシードを 8・24 ひとりでも生きられるから泣きそうだ 腐り始めの米は酸っぱい : 坂井ユリ 〜〜ど腐れの声に向かいて発酵す 8・23 梨むくや
【 タイム食句】 08・16〜08・20
8・20 桃うかぶ暗き桶水替うるときの還らぬ父につながる想い : 寺山修司 〜〜夜通しに男の厨昆布煮る 8・19 新涼の水の重たき紙コップ : 山本紫黄 〜〜二日酔いなる錫のぐい呑 8・18 ひまわりの種テーブルにあふ
【 タイム食句】 08・11〜08・15
8・15 敗戦の日の夏の皿いまも清し : 三橋敏雄 〜〜あらかじめヒビ欲望のため 8・14 空に往きし兄たちの群わけり雲わけり葡萄のたねを吐くむこう : 平井弘 〜〜黙りあう反動長き黙りあう 8・13 敵側のスタンドにゐ
【 タイム食句】 08・06〜08・10
8・10 卓に皿皿に梨梨に陰皿にも陰それがそのまま私に見える : 小宮良太郎 〜〜夏の果の腐ちてゆくまま放置せり 8・9 ノックして応答の無き西瓜かな : 金子敦 〜〜アリバイ証明黒い点々 8・8 キミの血を見たことがあ
『食句塾』20周年記念
『食句塾』20周年記念 「食とハーブの図書館」のいろいろな企画コースの 1つとして、半年ぐらいの予定でスタート。 季刊誌も92号に達した。
【 タイム食句】 08・01〜08・05
8・5 葛餅の黄粉必ず余りけり : 小野あらた 〜〜靴下の穴そっと手でかくす 8・4 飲んだ水一分後には生殖器にとどくときいたそれはまぶしい : 雪舟えま 〜〜真夜中に逆噴射する苦き粒 8・3 炎昼や箸にかからぬものが好