1・10 冬の灯の三人のまどゐ肩よせて生きたしよ柚子の實の酸きかぎり : 塚本慶子 〜〜浴槽に柑橘うかべ黄に染まる 1・9 寒卵どの曲線もかへりくる : 加藤楸邨 〜〜もののあはれは繭の
カテゴリー: 短歌・俳句周辺
【 タイム食句】01・01〜01・05
1・5 餅焼くや行方不明の夢ひとつ : 折笠美秋 〜〜富士噴火して鷹の羽焦げる 1・4 さっくりと鰤の血合いに刃を入れて不如意を知らぬ者などおらず : 柴田瞳 〜〜かぶらずしアテに酔おては
【 タイム食句】12・26〜12・31
12・31 火食鳥の火をくらふさま見たりけり寒ふかきわが藍青の眼に : 塚本邦雄 〜〜涙湖には飲食の罰藻のごとく 12・30 食べて寝ていつか死ぬ象冬青空 : 神野紗希 〜〜酔おて笑
【 タイム食句】12・21〜12・25
12・25 木枯らしのやみて急がぬ歩みなり饂飩のたまを袋に提げて : 柳宣宏 〜〜おあげさん自分で煮込みどん兵衛に 12・24 舌荒れてをり猟銃に油差す : 小澤實 〜〜待ち伏
【 タイム食句】12・16〜12・20
12・20 生牡蠣を朝食う貴族には勝てぬ : 金原まさ子 〜〜肉食よりもヒト食ってます 12・19 昭和というウオッカが壜に三センチ残ったままで捨てられている : 大滝和子 〜〜キンキンの霜
・謄本や青い火揺れるひとり鍋 : 磯菜
食句塾 S−1グランプリ 年間大賞 第2次選考 29句 第3次選考 8句 第4次選考 4句 ・ぬばたまの黒豆の出来終い風呂 ・めざめればそら豆の中 もうすこし ・謄本や青い火揺れるひとり鍋 ・円周率春は死んだらどうな
たこ焼きの命の果てや楊枝立つ : 磯菜
食句塾 兼題<焼く><北> ・たこ焼きの命の果てや楊枝立つ : 磯菜 万太郎の湯豆腐の世界とはまた違った味わい。 軽味とふてぶてしさ。 ・獣みて火を思いつく。火に弄ぶ : 大象 火に滅ぶ、を火に弄ぶ、と直した。どうだろう
【 タイム食句】12・06〜12・10
12・10 海鼠切りもとの形に寄せてある : 小原啄葉 〜〜ひきこもってる息してるのか 12・9 わがからだくまなく調べ尽くされて包丁一本でてこなかつた : 目黒哲朗 〜〜シャーペンをポーカ
【 タイム食句】12・01〜12・05
12・5 がんばりなさいと言うがソイツの皿みれば食べ物残すそれまでの人 : 辰巳泰子 〜〜薄っぺらな面にまち針ぶっ立てる 12・4 煮凝の底の目玉の動きけり : 福田甲子雄 〜〜往生せい
そことしもない・・・
薄田泣菫の随筆は湿度加減がいい。 文章のすみずみにいたるまで澄みわたり、 きららをふくみつつ、鋭く、もろく、あえか。 〜そことしもない旅に上のぼる 〜そことしもなく漂ふうちに ほとんどつかわれなくなった美しい日本語を あ