薄くてもろくて欠けそうで、はかなさのあやういバラン ス。白い食器はいつでも使うものに必要以上の緊張を強 いる。まだ若い作家。名前と作り上げた器の質感が<爽 やか>モードで、つきすぎ。”若気の至り”がほしいよ。  
堤幸生の出前マジック
30cmの至近距離でトランプや超魔術を見せてもおた けどほんまわからへん。タネを教えてもろてもまだ不思 議。マジシャン堤はどこでも、たとえ相手が一人でも来 てくれる。手品はみせて客が驚く反応をみて楽しむ趣味。
<踊るうどん> の<踊る>由来はわかりましぇん
秘やかな噂を漏れ聞くこと幾度。京阪沿線というマーナ ーのこれまた滝井などきいたことのない駅前。ごく普通 のうどん屋さんのたたずまいに好感。<踊る>の意味不 明。讃岐系ごん太のド厚かましさが無く自然な品格あり。
笑福亭鶴瓶「死神」:紅落語名人会
二日連続。いま鶴瓶を聴けへんかったら大阪人として後 悔する。いつもの艶っぽさがない。しみじみ始まったの は「死神」。そうきたか。蝋燭の火をついで生き延びる 瞬間の表情は歌舞伎の<見得>。鶴瓶古典は新たな創作。
笑福亭鶴瓶「青木先生」:繁昌亭一周年記念
創作だがすでに古典となる完成度。青春グラフィティと して骨格が太い。トークネタを落語力で語る意志が漲る。 鶴瓶の悪ガキ時代の教師との触れあい。爆笑エピソード の背景に嶋岡晨の詩<かくれんぼ>の授業も青春やねぇ。
中村正義 「裸婦」
「舞妓」の赤は超過激。その正義の裸婦は珍しい。<う んこ座り>。怯え、うつろ、拒否、無垢。これはタウン 誌『うえの』の表紙の1枚。創刊から80号まで長谷川 利行が表紙を描いたというから<上野のれん会>は凄い。  
<うさみ亭マツバヤ>三代目の怪作
客は<きつねうどん><おじやうどん>のどっちか注文。 初代と二代目の傑作。<なにわ焼きうどん>の新作があ るのでトライ。細うどんに野菜あんかけの皿うどんタイ プ。三代目の創作看板メニューに客がそだててくれるか。
「号外」の声の大きく秋暑し/弥華藍<ショック塾>
安倍首相退陣のニュースで騒がしい夕暮れの句会にタイ ムリーだが、意外に得点ははいらず。「汁の郷何処も菜 の蔕を食い」磯菜が食句賞。100回記念号となる季刊 俳誌のネット対談3時間。目が痒いので<肌麗玉>飲む。
<味覚センサー>都甲教授の研究
<おいしい、まずいは主観。主観的なものは客観で判断 できない。だから味は測れない。でも味は触れる段階で は、味覚は主観ではなく神経の反応。これは客観視して 測定可能>。なるほど、味を数値化する根拠にまず納得。
<コンヴィヴィアリテ>フレンチ:新町
柔らかなモノトーンの色調、大きな窓にドレープたっぷ りのカーテン、4人がけ円卓。サービスはマダムひとり。 凛とした雰囲気だがくつろげる。ワインに耽れば異空間 、窓からはコンビニの看板。これまた都会の一隅の快適。