上方歌舞伎のこれからをリードする花形役者間違いなし。 最近の大化けぶりでそう確信しているが、たまたま松竹 座『蝉しぐれ』終演後、わが<世沙弥>に食事にきてく ださった。飲んで食って演劇論がとぎれず延々深夜まで。
川淵直樹展:ギャラリー縄
一番魅力的な作家。追っかけ状態で去年は京都童仙房の 山奥の紅葉ふみわけ窯場まで。古代をイメージする独特 の土は30トンは確保してあるとのこと。今回は磁器に 陶土をまぜた試みや臓器や血管イメージの挑戦的な新作。
ガチャガチャ”そら豆” 大ヒットまちがいなし
食友が”そら豆”をくれた。天下茶屋の<ガチャガチャ> でみつけたらしい。なんとも触ってると恥ずかしくなる むにゅむにゅ感。すごいのはこれから。クリクリッと親 指と人差し指で押さえると中から透明な水滴がうるうる。 
『ひと声千両』 坂本五郎
老松町の骨董『たねおか』が貸してくれた。著者は『不 言堂』主人。クリスティーズのオークションで1億8千 万円で壺を競り落とし中国古陶器の評価を一気に高めた 実績。小さなジャブを絶えず出していると大きなヒット。  
繁昌亭効果、116億円
開業して1年。入場者数14万人。その経済波及効果は 116億円。いったいどこにそんな金、転がり込んだん や。繁昌亭横の和田萬としては、波及の波しぶきも浴び とらんとぼやいとります。桂三枝の情熱を実現する手腕。  
『千年、働いてきました』 野村進
<老舗企業は日本に集中している>ことの理由を探るテ ーマ。日経夕刊では<老舗を興す>連載中。革新あって こその老舗の格闘が刺激になる。得意先では葛屋・森野 さんの20代目が一番。役にたたない老舗は潰れる宿命。
『宿澤広朗・運を支配した男』加藤仁
ラグビー日本代表監督を務めながら住友銀行マン。それ も専務に上り詰めての急死。早稲田時代に2年連続日本 一。昭和25年生れ。年齢も大学も同じでラグビーをみ たのはたった1回の早慶戦。そのスクラムハーフが宿澤。  
『骨董裏おもて』広田不孤斎
東洋陶磁美術館で気まぐれに買おた本。「壺中居」創業 者だけに骨董界の魑魅魍魎ぶりも俗っぽい金まみれとい うより、人間真贋の見分けに迫っておもろい。品物買う 前に人を買え。最後に、美術館かて贋物交じることあり。
ジョン・キャメロン・ミッチェル監督『ショートバス』
三上博史の『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』 を観落とした無念かかえ新作と知り見参。不感症、SM、 ゲイと素材は過激でも質感は優しくサラサラと上質の麻 の手ざわり。清潔な映画に”ぼかし”なんかしなさんな。
丸山正の着物の<巻きつけ>:ギャラリーNOW
色調は墨染や猩猩緋の深い伝統色やのに羽織、帯、袴に 革新的処理。たまたま明日からの個展準備で汗だらけの 丸山正さんに出会う。早速<巻きつけ>をしてもらう。 <わたくし>の肉体は遠いいにしえからの時間をまとう。