杉本博司の設計。
変哲もない田舎の社である。伊勢神宮のミニチュアか、程度の感慨。
白砂から本殿に上る階段が硝子でできている。
それもアイデアやな。
もう足は次のアートにむかおうとしていた。
管理しているスタッフがぐるっと下にまわってください、という。
神社の下部に石室がつくってある。
狭い通路をまっすぐにすすんで、右を見た瞬間にしびれが走った。
この地層から硝子の階段ははじまっていたのです。
真っ暗の部屋に差し込む光。
光の階段は、古代から未来にむかってわたっているのです。
神がわたるきざはし。
わたしたちが歩んできた時間、
これからひろがってゆく時間。
そとにでてみると、神社はなんの表情もかえず、
しずかに瀬戸の海風をうけていました。