抜き足差し足の筆触で酔っぱらい牧水の歌

新聞で<日本の書展>の記事。
招待作家に安田硯月の名をみつけた。
安田さんは歌仙を巻いたりする友人。
彼女の手土産の京和菓子は珍しい名品で
はずれがない。
お菓子の餌は無いけど、国際会議場へ。

書とはなんぞや。
読まれへんのはどやねん。
絵とみたらわかりやすいんちゃう。
そんな論争が連綿とつづいてるんでしょうね。
石川九楊は語る。
<書は文字を書くのではない>
<書は言葉を書くものである>
何十回と読んでもなかなかわからんとこが
この人の魅力。書道というなんや墨色のドロンと
した硯の中の世界で、ひとり怒りひとり闘いつづける姿勢が
ひしひしと醸しでてくるんですよね。

さて、展覧会場。<現代書檀巨匠>なんて大書された
コーナーが設けられるのもいまやこの亡霊社会だけでは。
榎倉香邨
~足音をしのばせて行けば台所に
わが酒の瓶は立ちて待ちをる
酔っぱらい牧水の歌を細い筆のぬきあしさしあしの
筆触が笑ってしまいます。