<ヴンダーカンマー>に興味があるなら
是非訪問するべき、とおしえられたのが
宇和島の『凸凹神堂』。
ヴンダーカンマーは、15世紀あたりイタリア、ドイツの
珍品蒐集マニアの<不思議の部屋>。
学術的に博物館、美術館に分類整理される前段階の
わけのわからん、あやしい、けったいなもん、というところが
ポイントです。
自然物も人工物も珍しいものなら分野を隔てない。
ここ凸凹さんは、テーマを<性>にしぼった5万点。
安っぽい秘宝館臭フンプン。
しかし、ちょっとみまわしただけで、その価値のすごさに
仰天。国立の民俗博物館でもこのレベルは無理。
時間軸は縄文から、空間軸は全世界。
アプローチは宗教学、心理学、民俗学、医学、美術。
性の百科全書。これほどのものが、宇和島なんて僻地に
放置プレイされたまま。たとえば京都大学系の現代風俗研究会と
共同で学術発表があっても当然やのに。
「どうして凸凹神堂なんて、いかにもの名前なん?」
「それは戸籍上の本名が、久保凸凹丸だからです」
意表をつかれた。ケッサクやんか。
アイマルと読むんだそうです。
現、多賀神社宮司のおじいさんにあたる方から、
筋金入りの変人家系。
1日かかっても、1カ月かかっても、たとえ表面だけでも
3階までのすべて見ることは無理。
あげればキリがない。
<真言立川流>という消滅してしまった性の密教。
皮のブランド、グッチの性的快楽グッズ。
上村松園、岩田専太郎の秘画、春画。
日本にも、世界に誇るべき一級のヴンダーカルマーが
世間に知られず眠ったままで、あちこちにありそうで
興奮してきます。