人はなぜ、人の身体を造形するのか?

フィギュア、人物立体。
はにわ、兵馬俑、ビーナス像から
ベルメールの球体人形まで、妖しく魅了する。
まだ20歳代の上原浩子の創りだす人体は
生々しい皮膚感で未来世紀の人類まで連想させる。

人形は原始宗教にはじまる呪術的要素が強い。
だから『浮力』となずける上原の上半身裸形の人体から
わたしは弥勒菩薩をみてしまう。
霊的にしなやかな手と指づかい、謎めいた微笑みは
21世紀の半跏思惟像である。

布施英利<美の解剖室>連載第6回
~人はなぜ、人の身体を造形するのか。
その答えのひとつが、仏像の起源にある。
~釈迦が没してまもなくの頃は、その存在はありありと
感じられるが、何百年の時間が過ぎると、実感が消えていく。
そこで「身体」として造形することで、あらためて釈迦の
実在が迫ってくるのだ。

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【タイム食句】 お茶碗を父と名付けりゃ割れにけり  : かまちよしろう