曼荼羅をみてきて蝶のうかれよう

春の吟行。
らしく、当麻寺の桜の景色が
モチーフにあらわれる。

・二上の阿吽さくらに煽られぬ : 菜摘

・金堂の屋根外したや桜咲く : 三甫

・曼荼羅をみてきて蝶の浮かれるよう : 主水

二上山ふもとの仁王が桜の荒々しい幹と競っていた。

菩薩も四天王も天突くように巨大でお堂が息苦しい。
いっそ屋根をとっぱらったら、という読みもあれば、
作者は白鳳時代の古仏を亡くなられた天上界の友人に
みせてあげたかったと自解。

曼荼羅はテーマの焦点が難しい。詠みにくい。
ちょっとわけのわからない迷宮にすいこまれた蝶蝶の
あやうい精神状態のようです。

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【タイム食句】
おぼろ夜にうつつをぬかす出刃庖丁 : 青木一夫

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「鮎」「土産」