マルテル坂本牧子さんの<まなざし>

兵庫陶芸美術館<Curators Collection>

先日、<ギャラリー白>でマルテル坂本牧子さんの
トークイベントに遭遇。
彼女の企画でおもろい展示
<学芸員のまなざし>をしてるというので
炎天下、丹波まで。意外に1時間ちょいの近さ。
美術のキュレーションは詩歌のアンソロジーと同じです。
だれが、どんな文脈で。

地方の陶芸館はどこにいっても退屈。
時系列で資料的解説があるだけ。
しかし、今回の企画で現代陶芸と地元焼き物文化の
両方を浮かび上がらせてくれた。

このエリアはすごい財産をもっている。
丹波、備前、せいぜいいって、出石の白磁、三田の青磁。
王地山焼、東山焼、珉平焼なんかいまで名前すらきいたことがない。

しかし、これらが単に地域の博物館の
ふるぼけたショーケースに並べられているだけでは、
ああ、そんなんもあったんですねぇ、で通り過ぎ。

深見陶治の天空を切り裂く青白磁の立体と対比され、
加守田章二の曲線彫の自在さに先導されるから、
民芸、古陶も深い眠りから、大地のひかりとざわめきをよみがえらせて

くれるのでしょう。
全丹バスという地方企業の社長、田中氏の個人コレクションだったもの。
コレクターとしての在り方をおしえていただいた一日でした。