鳥取ノ荘の港。いきなり胸ぐらをつかまれたよう磯の香 が襲ってくる。赤銅に日焼けした漁師らが網篭の修繕中。 きのう荒れまくった浦祭りの後かたづけを黙々とする若 者も爽やか。「玉蜀黍の美し歯並びを食みこぼす」翠胡。 (浜街道
カテゴリー: 短歌・俳句周辺
枝豆や結婚線がありません/磯菜
この俳句、なんで枝豆?しかしこれは絶対動かない。も のを食うのに手指だけで完結するのは枝豆だけ。ひたす ら口元に手を運ぶたび、ふと結婚線が気になる。あれ? わたしって無いやん。自嘲のおかしみ。婚活のユーモア。 食句塾:兼
「下手であること」のエネルギーと愉快さ
食句塾10年。指導添削はできない。ただ司会に徹する だけだが実践書があれば参考に。辻桃子さん、才能あふ れる人なら俳句なんかやめて別な表現選んだ方がいい、 言うて気持ちええ。休暇3日目、俳句作法の書をひらき。 『童子吟社
地サイダー五臓六腑をてなずける/案山子
夏盛り食句塾。松葉サイダーはじめ各地でひっそりとサ イダーは作り続けられている。「皆既食麺の凹みに割る 卵」玉庵。テントでチキンラーメン、卵が太陽にみえる。 席題からトップ賞「命火のドットつながる大文字」磯菜。 (食句塾
貌削るスリラーの夏月の舞/玉庵
マイケル・ジャクソンならばスリラー忌。まちがっても 脱色忌はいけません。句会のおもろさには挨拶句があり 追悼句があり。「老舗消ゆ心斎橋に夏嵐」三甫。数々の 名店が相続税で消える。そごうも復活への足掻き虚しく。 (レノン忌
食句塾も回数重ね、出入り多し
弥華藍が半年ぶりの復帰で「紫陽花や乗り継ぎ多き道を 来し」。麻天茶は出産でお休み中。本日新人加入。「前 世の服役中と鹿尾菜煮る」玉庵。こんなしょもない男の 為にひじき炊いてるなんて前世で悪いことした罰やろか。 (食句塾)
客ありて鶏鳴の消ゆ初夏の里/玉庵
客人あれば鶏を絞めて饗応した食習慣の記憶が妙に生々 しく蘇ってくる。鶏鳴は絞め殺す悲鳴ではなく、翌朝気 がついたら”コケコッコォ〜”が聞こえなかった、とい うきれいな処理。「黒々と土が鋤かれて鯉のぼり」菜摘。 食句塾ht
大仙公園日本庭園は吟行に最適
吟行の条件。散策のあと適当な集会場所。清記のコピー ができる。ここの和室はおすすめです。仁徳天皇陵はじ め47の古墳と桜満開。「さくらさくらわが身に水のめ ぐりゆく」主水。花のいろはうつりにけりないたづらに。 (大仙公園
ニンニクは犯罪の匂い
食句塾の兼題は<大蒜>。「大蒜や共犯の美味目交ぜす る」「蒜酒針千本の嘘醸す」「にんにくやサド侯爵の指 で剥く」など悪のイメージの句が続出。そのせいか最終 は「看護婦の鶯餅を小走りに」の淡いスケッチが食句賞。 (食句塾)
冬土の旨み重たやもう一個/麻天茶
朝市風景の写真を見て一句。穫り立て野菜の新鮮さ。写 俳では視点の違いに個性が現れる。兼題は泡。「泡盛や おんなは入れぬ春の馬鹿」磯菜。南の男どもは車座にな っては酒盛り。あけっぴろげの陽気な馬鹿さ加減が豪快。 (食句塾)