啄木のローマ字日記をネットで読む

石川啄木のローマ字日記も
ネットで簡単に読める。
西村賢太のおもろさに通じるもんがある。

『短歌研究』8月号。
舞台『ろくでなし啄木』をみて、というサブタイトルで
森井マスミのエッセイが載ってます。
観劇コメントは短歌雑誌には珍しい。

今のりにのってる三谷幸喜の作品。
啄木キャラの新発見というより、<藪の中>視点の
舞台転換のスピード感。一瞬ごとになにがほんとの
ことなんかクルクルまわっていくおもろさ。
中村勘太郎の熱演が『冥途の飛脚』の忠兵衛なんかと
歌舞伎も現代劇もおんなじ色で、ワルの匂いが
全くせえへんのが気になるけど、まあ話がそれてしまう。

「小説家として成功することに執着し続けた啄木にとって、
短歌はあくまでも『悲しい玩具』であった。
(中略) 生活と文学に対する啄木の姿勢を如実に
反映し、変化し、深化していったのは、短歌にほかならなかった」
森井の視点は的確で、さらに
「文学と生活という陳腐な対立に、啄木は自らの人生を
もって、極めて重要な一石を投じた。」

だれかが書いてた。
<情熱をもやした青春から挫折して、いま淡々と
生活の糧を得るための暮らしをしている。
そんななかで、一番かっこいいのは、食えない舞台に
青春を賭けた連中だ>

アートか政治か学問か。
<二十歳のときが一番美しいとは、だれにもいわせない>
こんなキメゼリフをはいた人もおったね。