『工芸未来派』展ー金沢21世紀美術館。
漆、陶芸などの工芸が日本文化の固有性に
いつまでもとらわれている。
現代美術がコンセプトや文脈重視であって、
技術習得の鍛錬や一生一つの素材を追及することは
どうでもええ、という傾向にある。
しかし、日本人は形而上的な概念はそのときの風まかせで
時代が移ればまたつぎのコンセプトがもてはやされるんだという
ある種さめた無常感がある。
バーチャルか地続きのリアルか。
現代を表現することに格闘する姿のスリリングな展覧である。
選ばれし12人の作家の展示も贅沢きわまりない解放空間。
今後、個々の作家の変貌ぶりも興味がつきない。
今回のすべての展示作品のなかでも、最も聖なるイメージを
創出していたは<イデアの玉座>。作者は中村康平氏。
あとになって気がついたのですが、彼はちょうど1年前に
大阪のギャラリー縄でのグループ展の打ち上げで、
世沙弥にきてくれていたのでした。