プリップリの白子、
はいったんで、
とびっきり麻ぁ辣ぁの石鍋。
世沙弥、冬の定番ざんす。
プリップリの白子、
はいったんで、
とびっきり麻ぁ辣ぁの石鍋。
世沙弥、冬の定番ざんす。
月下美人、食べちゃいました。
お客様が「庭に咲いたので」と手みやげ。
5時間前にカットしたにもかかわらず、
夜の7時すぎるとぐんぐん花ひらいて、
絢爛美人に迫られる恐怖。
急遽、「食べましょうか」の提案に
さっとゆがいて、淡口のお出汁で。
月の雫が香ってきます。
もう松茸なんて比べもんになりません。
サラダのドレッシング。
料理好きなお客様から、
これはどういう調味料がはいってるんですか?
メインの肉料理の添えに、ちょっと甘めのドレッシングを。
このときは<ヴィンコット・オレンジドルチェ>をつかいました。
熱心な方はキッチンまではいってこられてメモされます。
ヴィンコットは、ぶどうを煮詰めた天然の甘味料。
バルサミコ酢のあまいタイプみたいなもんでしょうか。
これに、柚子胡椒、マスタード、たまねぎのすりおろし、わさび、塩糀などを
配合すると、辛み、酸味、甘みのバランスが微妙にちがってきます。
メインの食材や、お客様の年齢、嗜好、ワインか焼酎か、
そのときのテーブルによって、アクセントをかえていきます。
・ 割られたい線があります、と西瓜 : 朽木リツ子
・ 裂ける音すこし混じりて西瓜切る : 齋藤朝比古
・ 切売の西瓜くふなり市の月 : 正岡子規
子規の俳句をみると、その頃から、でっかいすいかは
市場で切り売りされていたようです。
さて、世沙弥では暑いこの頃 【すいかスープ】
すいかをミキサーにかける。
だけみたいな簡単なものにみえますが、
なかなか手間がかかっています。
アロエ、梅肉、パッションフルーツをミックス。
すいからしい太陽レッドをいかして、
なおかつ、ひとさじ口にふくんだときには
子供っぽい甘さを裏切って、
成熟した幽玄をかいまみるテイストにしあげています。
<夏-1 : かたつむりのシエスタボール>
エスカルゴのたこ焼き。
蛸のかわりにエスカルゴ、では
どうしても嚙んだ時のパンチ力がいかされない。
かたつむりの味をきめる
ハーブ、にんにく、バターの濃厚なコクと
たこやき生地ではバランスがとれません。
なにより芸がないのはあきません。
チーズとインカの目覚めを生地にします。
たこ焼き器でボール状に。
みかけは、大阪のたこやき。
<インカの目覚め>にくるまれて、
初夏のシエスタのイメージを。
フルーツトマトのシーズンです。
トマトが夏の季語になっています。
身体をひやすし、漢方医食同源でみても
夏のものとおもいこんでいます。
だけど、トマトのおいしいのは、
気温がまだ低く昼の時間が長い春と、
気温が下がり始めて空気の澄んでいる秋です。
そこで
トマト蕎麦をかんがえる。
パスタのトマトソーズをトッピングする蕎麦屋がある。
これは基本的に蕎麦粉のつなぎの割合をふやしている
店の発想です。
オリーブオイルやチーズをつかいたいならば
蕎麦粉のガレットをつくればいいわけで、
蕎麦切りとパスタは性質、食感が違うものです
十割はやはり、もりでいただくものでしょう。
一九の場合です。
単にサラダ蕎麦にするのは芸がない。
トマトを種をとってよくいためる。
梅肉、塩麹をくわえる。
もり蕎麦用の蕎麦だしをくわえる。
ひやしておく。
べつに、大葉をミキサーにかけ
ペーストをつくっておく。
蕎麦がゆがきあがったら、
和風トマトソースをかけ、
フルーツトマト、大葉ソース、大葉の千切りを
あしらって。
これからの季節に最適の蕎麦ですよ。
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【タイム食句】
夜半覚めて酢茎を噛んでをりたるよ : 谷口智行
、
<春-1:おぼろ夜の帆立>
春はおぼろ。
ほたての殻は
ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」を
イメージして春のよろこび、なまめきがあります。
大きな殻に帆立、そらまめ、ゆりね。
やまいもと利尻昆布のだしで蒸します。
卵白の泡をふわっと。
すこしバーナーで焦げをいれ、おぼろ夜の風情を。
そうそう、やまいもをすりながしたところに
桜の花の塩漬けを3,4片忍ばせるのを
忘れないように。
夜桜のほの明りをいただきましょう。
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【タイム食首】
粥を食みつゆさきほどの時間さへとりもどせねば粥どこへおつ
: 渡辺松男
この時期のサラダ。
帆立と蟹とじゃがいも。
どれも北海道産。メニューにかくときに、
<サラダ北の国から>は世沙弥にあわないので
<カムイサラダ>をおもいついた。
カムイはたしかアイヌ語で<神>。
霊的な存在をいう言葉。
われわれの世代なら『カムイ伝』。
イコール白戸三平。
主人公カムイはブッダやイエスのような神ではない。
江戸時代の非人の代表。
樵や猟師、漁師、農民の最下層肉体労働者の
群像劇というパッション。
それがあの時代に熱く指示され、人気がでた理由。
<ガロ>かぁ。つげ義春。林静一。
アイヌ語に戻る。
イオマンテ、コタン、コロボックル、ピリカ、ポッケ。
みずみずしい響きのこtばがいっぱいある。
女性雑誌NON-NO~ノンノは、アイヌ語の<花>。
ついでにいえば、AN-AN~アンアンはパンダの名前。
アイヌとは関係おません。
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【タイム食首】
そういえば、食べ物購うときにしか主に使わぬ財布なりけり
:生沼義朗
シングルモルトを飲みたい。
お客様のリクエストに応じて、ボウモアを用意する。
ふだん、ウイスキーはおいていません。
のどぐろやったら、リースリングか日本酒の淡麗辛口系、
なんてしょうもないことはおもいません。
すきなお酒を好きな飲み方でたのしんでもらうのが
一番やと。これは酒呑みなら、誰でもそうです。
とはいえ、こちらとしては、ボウモアと相性がええ料理を。
なんぼバランスええゆうても、スコッチと比べもんにならん
かなりスモーキー。
生牡蠣にボウモアぶっかけたんをキッチンでつまみ食いしながら、
相性ええんは、やっぱり燻製との結論にいたる。
鴨のブロックを軽く燻製。粗挽き胡椒をきかせて。
もう一品も、鮭に軽く燻製臭をつける。
二品とも、中華鍋で簡単スモークですよ。
千枚漬けの旬。
もらいもんの見事に大きいまんまる円。
聖護院かぶらには神々しささえかんじます。
クレープの要領で、千枚漬にスモークした鮭、子持ち昆布、
柚子の皮、三つ葉をのせて、くるくると巻き物に。
白の中に赤、黄、緑。鮮やかさもごちそう。
シングルモルトに最高のアテになりました。
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【タイム食句】
心臓と同じくらいの海鼠かな : 石原八束
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