じゅんさいを山葵だけでいただく。若菜をくるんだ寒天 質のぬめりが命やけどこれほど生まれたての極上に出会 うことは希有。女将でも年1回しか入手できない賜。調 子のええ男を”じゅんさいなやっちゃな”。親父の口癖。 (じゅんさ
『孤独のグルメ』 : 久住昌之原作
蕎麦屋は独りがいい。酒のアテにちょっと迷う夕暮れの 愉しみ。蕎麦がうまいのまずいのと言わなくてすむ気楽 さ。それはおいといて、この漫画、たとえば阪神地下の 食堂街に近づいた時の動揺を見事に言い当てられた気分。 (本)ht
めだかは何年生きる?
6月になると大きなすり鉢に水をはってめだかを和田萬 店頭でお披露目。もう3年になる。こんなに長生きする? はて、毎年子メダカが孵っていた筈。ならばチョー気持 ちイイと泳ぐこいつらは3年目の親父か2年目の小娘か? (めだか
『いきなりはじめる仏教生活』:釈徹宗
<宗教>という言葉へのアレルギーがあるだけで日本人 の無意識生活に仏教的濃度は高い。意識的になって一番 気持ちいいのは呼吸法。それと食。情報をゼロにしてた だ食べることだけに意識集中。香り、味、食感、舌、喉。 (本)ht
噂の三佳屋 : 千日前に開店
堺の辺鄙な噂のうどん屋が7月、道具屋筋に2号店。饂 飩屋激戦地区。今東光を大阪の商売人にした強烈なキャ ラのご主人がうどんを打つ。隠し味に<発芽金ごま>を 打ち込む。歯ごたえがあるのにしっとりとして艶がある。 (三佳屋)
心拍数よりゆっくり : 所さんの目がテン
話しのテンポを心拍数よりゆっくりすると人を惹きつけ る。これを実証してみせた。いつも早口だといわれる。 話しベタの原因はまずそこにあったんや。納得。<緊張 と緩和>で人が笑う実験も。枝雀は計算しすぎて自殺か?
ヴェルレーヌがランボオを短銃で撃つ
7月10日、ランボオ18歳の事件。「地獄の季節」で 文壇をひっくり返してはその後あっさりと武器商人にな ってわずか37歳で死んだ。塚本邦雄の短歌「輝くラン ボー来たり、はじめて晩餐の若鶏のみだりがはしき肋骨」。 (ランボ
モンポウ : 沈黙の音楽
梅雨はときに激情を露わに豪雨を降らしたかと、見る間 に暗い雲から太陽の光。空に”ヤコブの階段”がかかる。 高橋悠治のピアノを聴く。カタロニアの作曲家モンポウ のひそやかな響きは光と影のヤコブの階段を降りてくる。 (高橋悠
『あちゃらかぱいッ』 : 色川武大
この作家のおかげで<ナルコレプシー>が認知されるよ うになったのでは。麻雀でてんぱっていても寝てしまう 病気。同類なので親近感がある。売れない芸人のあかん たれさを肌ざわりで感じられん奴とは酒を飲みたくない。 (本)ht
三代にわたる和田萬"家族の肖像”
和田萬初代の写真がでてきた。正装した肖像写真で夫婦 別々に記念撮影したようだ。二代目、三代目もあるので 額装をして事務所に掲げる。横並びにすると明治大正昭 和と和田萬を流れすぎた時間が背景から溢れ出してくる。 (家族の肖