久世光彦の文章には頻繁に<落魄願望>がでてくる。自 分ではない誰か、氏名年齢素性の知れない不安定な誰か になって暮らしたい、という誰にもある秘かな願望。作 家・久世が死んでたちまちに忘れ去られていくのが残念。 小林竜雄『
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小林カツ代の「おいしい大阪」
実家は大阪の食料品問屋というから和田萬と極めて近い 風習。祝膳の男用は朱で脚なし、女用が黒の脚つき。小 林によれば「お正月だけは女の人がいばっていいいです よ」。昭和の父は悲壮であり且つ永遠に悲愴でもあった。 http:
沖縄の<大東すし>のルーツは八丈島
沖縄にしかないものときいたら<大東すし>を教えてく れた。カジキマグロのヅケの握り鮨。正確には南大東島 の名物で、八丈島発祥のすしが伝搬したもの。人が島か ら島へ流れ生活習慣と食文化が伝搬していくのはドラマ。 (大東すし
沖縄時間が嘘みたいに集まりのいい<胡麻集会>
沖縄北部地区。なんと開始5分前には全員集合。遅刻当 たり前の沖縄時間ですから、熱の入り方がわかりますね ぇ。沖縄にはミヌダルという宮廷料理はあるが家庭料理 にゴマ食文化はない。<琉球金胡麻>の花を咲かそうよ。 (胡麻栽培
ポテトサラダとAV男優の取り合わせに俳味
漫画『深夜食堂』で日本人の食のベースを再認識。外国 の市場周辺の安食堂にあるムード。そんな民族の気配が 濃厚に沈殿している食堂が日本では消滅。ガラガラと文 化が崩壊している現場に 立ち会っているという寂しさ。
おいしい新野菜が続々登場してくる
本名<アイスプラント>はいろんな商標がついてるので 混乱する。バラフ、プッチーナ、ソルトリーフ、ソルテ ィーナ。これみんなおんなじ。軽い塩っ気とたっぷ りのみずみずしさ。<ロマネスコ>も見た目が近未来的。 (
ごまやんは鍛金だ
職人さんが金属をひたすら叩きつづけて成形仕上がった 鍋にはひたすら憧れていた。『鍛金工房 WESTSI DE 33 』にはアート以上の調理器具が並ぶ。安い。 プロの職人技。鍛金といえば『ごまやん』こそ最高傑作。 (ごまや
義太夫は関西旦那衆のカラオケやった
御霊神社で<義太夫と落語の会>。文楽の人形使いはな く、三味線だけで英太夫さんの素浄瑠璃。愛嬌のある舞 台で、終わってからの会話でついつい口調を真似てしま う。落語ネタにもあるとおり、旦那連中のカラオケ趣味。
でっかい牛タンにあっかんべぇ
近江牛の舌。手のひらサイズの大きさにたじろぐ。ワイ ンでとろんとろんに煮込んである。舌をみれば顔の大き さを連想し、その巨体が草食む牧場の日々まで時間は遡 る。敬意のあっかんべぇしてナイフを。舌を舌にのせる。 (ルッチョ
歌右衛門の凄みはわかるけど
『團十郎と歌右衛門』。歌舞伎はライブの芸能。老いた 歌右衛門はあきません。生の舞台を観る回数は限られる。 50年生・玉三郎、55年生・勘三郎、77年生・海老 蔵。愛之助と獅童は同じ72年生まれ。まずこのあたり。 『團十郎