相澤啓三 『光源なき灯台』 高見順賞の詩集『マンゴー幻想』が2004年。 そのあとも詩集は多い。 歌集は2003年『風の仕事』以来ですから 9年ぶり。545首。 第一詩集が1961年ですから、 半世紀以上の創作持続力。お
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河内音頭の渦エネルギー
大阪の古層に位置する河内。 その河内音頭の盆踊りについて、 中沢新一が『大阪アースダイバー』に書いている。 ~踊りの輪は渦を巻き、生き物のように 伸縮をくり返しながら、目にみえないなにものかを、 踊りの輪の中に巻き込もう
『名妓の夜咄』 岩下尚史 著
岩下尚史の文章には艶っぽさがある。 今回は、新橋芸者の聞書 『名妓の夜咄』。 ~前略 大歌舞伎の俳優を買うとなれば、逢瀬の度に枕金を渡すだけでは 幅が利かず、役者が公演をするとなれば、観客を大勢募って、連中 という団体見
漫画ノンフィクション、卯月妙子『人間仮免中』
奇書。 まぎれもなくすさまじく、奇ッ怪。 新タイプ漫画ノンフィクション。 卯月妙子『人間仮免中』。 スカトロAV女優の鬱病闘病記と紹介すると乱暴すぎるんやけど、 いくとこまでいってまうんやね。 ボビーという脇役キャラも魅
<聖地感覚>をよびさませ
・触らせてもらう津軽の木の林檎 : 宇多喜代子 さわらせてもらう。 このフレーズが伸ばした指の先から 一直線にこころにみずみずしくはいってくる。 大地、風土、その土地のみのりをもたらした 土地のヌシである精霊への畏れでし
入江さん、虹っぽい『秘密のロンドン』
『秘密のロンドン』。 アノ入江敦彦さんのガイドですから、もお。 レインボー派でなくとも。 バンクシーのネタもたっぷり、アートな倫敦。 観たい映画のコーナーで フランシス・ベーコンの実録もの『愛の悪魔』 BBC共同製作によ
<聖地>にどっぷり、悪所もどっぷり
『日本の聖地ベスト100』 植島啓司 著。 新書のちょっと肩をぬいたエッセイ風。 ええんか、とおもてるうちに、この軽さがいけてくる。 ほんなら一回行ってみよかな。 最近よんだなかでは、 須田群司 『日本の聖なる石を訪ねて
わっけわからん『芸術の陰謀』
大阪駅でばったり会ったふたり。 「どこいくの?」 「京都」 「どうしてそんな嘘つくの?」 「???」 京都とこたえておけば、 <はは~ん、ほんとは神戸にいくのにちがいない> 、とこっちが推測するだろうとみこして、 わざと
『股間若衆』のユニークな視点
奇書というより珍書。 『股間若衆』 ・新股間若衆 ・股間漏洩集 ・股間巡礼 いうまでもなく『古今和歌集』『和漢朗詠集』のもじり。 著者の木下直之さんは、美術、建築を見世物や祭という 独自のユニークな視点から日本文化を 研
『遺体』。あなたを棄てはしない。
3.11に2万人に死が訪れた。 阪神大震災で6千人の生が奪われた。 理不尽に出現した死の世界で 人々がどのようにふるまったか。 あなたを棄てはしない。 たとえ身元が判明されずに骨と化し、 無縁の灰となっても、隣人は見捨て