『日本の聖地ベスト100』 植島啓司 著。 新書のちょっと肩をぬいたエッセイ風。 ええんか、とおもてるうちに、この軽さがいけてくる。 ほんなら一回行ってみよかな。 最近よんだなかでは、 須田群司 『日本の聖なる石を訪ねて
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わっけわからん『芸術の陰謀』
大阪駅でばったり会ったふたり。 「どこいくの?」 「京都」 「どうしてそんな嘘つくの?」 「???」 京都とこたえておけば、 <はは~ん、ほんとは神戸にいくのにちがいない> 、とこっちが推測するだろうとみこして、 わざと
『股間若衆』のユニークな視点
奇書というより珍書。 『股間若衆』 ・新股間若衆 ・股間漏洩集 ・股間巡礼 いうまでもなく『古今和歌集』『和漢朗詠集』のもじり。 著者の木下直之さんは、美術、建築を見世物や祭という 独自のユニークな視点から日本文化を 研
『遺体』。あなたを棄てはしない。
3.11に2万人に死が訪れた。 阪神大震災で6千人の生が奪われた。 理不尽に出現した死の世界で 人々がどのようにふるまったか。 あなたを棄てはしない。 たとえ身元が判明されずに骨と化し、 無縁の灰となっても、隣人は見捨て
岡井隆『わが告白』の新しさ
岡井隆の新著『わが告白』。 岡井が従来の私小説や単純な日記文学を 書くはずがありません。 知の操作で巧みに組み立てられた フィクションでもありません。 <告白>というテーマのもとに、 過去を回想する現在の自分を語っていく
~「金閣寺」への船出~
三島由紀夫が自決したのは、昭和45年。 すでに42年。 その文体は2012年の時代を表現することはできません。 それは当然で、そのことで三島が現代での存在価値を 失ったことにはなりません。 泉鏡花、折口信夫の流れで三島を
現代アート小説『道化師の蝶』
デュシャンが小便器を<泉>のタイトルで アンデパンダン展に出品したのが30歳。 興味の対象は言葉にもあって、 32歳のときには、言語実験で 意味と記号に関する研究をしたり、 駄洒落の本もだしています。 1920年のことで
『共喰い』の義手
文字を読む。 文学ではありません、文字とおり文字です。 短歌、広告、落書き。 エッセイ、ツイッター、ノンフィクション。 小説というジャンルはいつのまにか 後に後に。 紅白が老人のための流行歌チェックとすれば、 芥川賞もそ
『芸術の蒐集』に大興奮
『芸術の蒐集』 書いたのは、ウンベルト・エーコ。 ショーン・コネリー主演で映画にもなった『薔薇の名前』で 有名になった哲学者。 とんでもない本です。 『美の歴史』『醜の歴史』の三部作ですが、 このおもろさは、順をおって美