和ろうそく。 炎がゆらぐ。 闇が息をする。 谷崎潤一郎は『陰陽礼賛』で 日本人の暮らしに、ほの暗い空間のある 心地よさをほめたたえた。 和ろうそくは、櫨の実から採取した蝋。 それは知ってましたが、米ぬか原料タイプも あり
カテゴリー: 世沙弥のスペース案内
なぜか、中川一政
~遊びをせんとや生れけむ~ 人は遊ぶために生まれてきた、とはよお言ゆてくれた。 えらい都合のええフレーズのとこだけ有名な 『梁塵秘抄』。 平安時代にごっつい流行って人気のあった 歌謡曲大全集みたいなもんです。 ~わが子は
アンモナイトで胡麻料理を
アンモナイトがぎょうさんうずもれてるお皿です。 岩盤をプレートに加工したもんです。裏を見ると わかるんですけど、インテリアの壁掛け。 19世紀に発見されてドイツで加工された、 というけど時代は嘘でもよろし。 アンモナイト
中田篤の漆と有元利夫のにかわ
10年以上も前になる。 毎年、有元利夫の12カ月の卓上カレンダーが あった。あれは今も続いているんやろか。 中世に誘われる静謐な時間の流れ。 フレスコ画にある風化のおもむき。 そんな有元の世界を、中田篤の器にみた。 それ
ベルメールが蘇ってきた
ベルメールのことを知ったのは澁澤龍彦の本だった。 幻想美術館、みたいなタイトル? 本棚をさがしてみた。いつのまにか、澁澤の本も減ってる。 『血と薔薇』も大切に保管してたんやけど。 桃源社『澁澤龍彦集成』が5巻残ってる。
焙烙は持ち手の筒からゴマをだす
椿をさすのに、なにかと探して、 ほうろくに活けてみる。 ほうろくは焙烙とかく。ゴマを焙煎する道具である。 すり鉢ですら家庭から削除された日本のキッチンに焙烙は幻に近い。 わかりやすいところで、ぎんなんを煎る。お茶の葉を焙
内田鋼一のごろごろ碗
刺激的な現代アートの作り手がいる。 次はどんなことをしてくれるんだろう。 ふわっと天空からおりてくるような言葉を告げる歌人がいる。 新しい歌集はさぞかし変幻しているにちがいない。 旋律が同じなら、あくびでうんざりし、 あ
藤嵜一正さんの漆で、めしを食う
漆の食器をつかうたびに、気がやすらぐ。 日本は樹の郷、木の文化であることに思いがいたる。 そこに漆が塗りこめられておもろさは深くなる。 ベトナムや海外にも漆はある。 しかし、日本の漆には気がとおくなるような時間が こめら
山田浩之さんとのつきあい
土いじりに信楽に通いはじめた頃だから、もう15年にはなる。 偶然通りかかった『陶夢』というショップは若手の新作が多くて気にいった。 なかでもひきよせられたのが、手ひねりで野趣をのこした水差し。 すりばちのコレクションもし
藤澤レオの器をどう料理する
苫小牧の金工作家・藤澤レオさんの器 フレームの上に皿がのっかる。 皿も金属性である。 フレームをいかして、皿を次次、漆や土ものに 変えて、コースをすすめる手もある。 蕎麦を盛るにもおもろい。 はてさて、おもろい器でお客様